AIによる推進工法の自動化に関する研究

研究内容

 水道管,ガス管や通信ケーブルが地下に埋設されているのはご存じのことと思います。最近注目されている洋上風力発電でも,地上への送電のため海底面下にケーブルを敷設する必要があり,また,都市部においては電線を地下に埋設し,無電柱化する計画があります。これらの施工には推進工法という掘削技術が使われていますが,地質構造が複雑なわが国では,状況に応じて掘削マシーンをオペレーションする高度な技術が必要になります。現在は,熟練者の経験と勘を頼りに掘削が行われていますが,海外での施工など,グローバルな展開を目指すには推進工法の自動化が必要不可欠になります。

 当研究室では,国内での施工実績が豊富なエクシオグループと共同で,推進工法の自動化に関する研究に着手しました。具体的には,熟練オペレータの操作を画像解析することにより,推進力や泥水圧などの掘削条件をリアルタイムで把握し,この掘削条件と地質構造の関係をAIで分析することにより,地質状況に応じた掘削条件をリアルタイムで推定する手法を開発しています。また,画像解析により,掘削したトンネルの3次元形状を迅速に計測し,推進工法による掘削精度を評価する手法の開発も行っています。

アースシャトル工法による海底下の掘削
アースシャトル工法の発進プラントの様子
泥濃式推進工法に用いる掘進機