デジタル画像相関法による地盤材料の変形の分析
研究内容
材料の変形は,内部で生じる損傷や破壊と密接に関係しています。このため,変形挙動の詳細を捉えることにより,その損傷・破壊のプロセスやメカニズムを知ることができ,破壊の予知や防止が可能になります。材料の変形は,一般に,ひずみゲージなどの測定器を材料表面に取り付けて計測されます。しかし,この方式では精度良く計測できる反面,取り付けが困難であったり,高温下など,特殊な環境下では計測できないなどの問題があります。
本研究室では,Digital Image Correlation(DIC)と呼ばれる非接触で固体の変形を計測する方法を用いて,過酷な環境下における地盤材料の変形挙動の解明に関する研究を展開しています。具体的には,燃焼・ガス化プロセスにおける石炭の変形動をDICにより計測し,高温下における石炭の変形挙動や石炭中の亀裂の発生条件を解明しています。この研究から得られた成果は,地下深部の石炭層からブルー水素を生産する石炭地下ガス化(UCG)の高効率化や安全性評価に貢献すると期待できます。今後は,トンネルや岩盤斜面などの岩盤構造物の変形の計測にも応用する予定です。