数値シミュレーションとAIを組み合わせた岩盤構造物の挙動予測手法の開発

研究内容

 岩盤斜面や地下空洞などの岩盤構造物の挙動の予測や理解には,数値シミュレーションが良く用いられています。数値シミュレーションでは対象とする岩盤構造物の数値モデルを製作したうえ,地質構造や岩盤の諸特性(力学特性,水理学的特性,熱的特性)に関する情報をモデルに与える必要があります。しかしながら,調査や実験結果から,これらの情報を正しく得るのは簡単ではありません。このため,逆解析と呼ばれる手法を用いて,岩盤の特性などが推定されてきましたが,地質構造が複雑な場合にはこの方法は適用できません。
 当研究室では,GPSなどで計測した岩盤変位などのフィールド計測の結果をAIで分析・モデル化し,将来の岩盤の挙動を予測する新しい手法の開発を行っています。開発中の手法では,地質構造や岩盤特性などを把握する必要はなく,岩盤の挙動予測に適した方法と考えられます。さらに,数値シミュレーションの結果を教師データとした機械学習から岩盤挙動を推定する手法も開発中です。

露天掘り鉱山における変形予測および数値解析
深層学習を用いた岩盤斜面の変位予測モデル